咬み合わせとは

成人の歯の数は、親知らずを含めて上下それぞれ16本、計32本。咬み合わせとは、上下の顎を閉じたときに、それらの歯が接触している状態のことをいいます。

人は毎日の食事などによって歯が少しずつすり減り、一人ひとりの顎や顎の骨に合った咬み合わせがつくられていきます。しかし近年では、食生活の変化などによって正しい咬み合わせがつくり出せなくなってきました。そうして不正咬合(正しくない咬み合わせ)が招かれ、顎関節症や肩こり、頭痛などさまざまな全身のトラブルにお悩みの方が増えています。

悪い咬み合わせが及ぼす悪影響

虫歯・歯周病
発音の乱れ
肩こり・頭痛
歯みがきがしにくいため汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病になりやすくなります。 空気がもれたり、舌が正しく動かせなかったりすることで、発音が乱れてしまうことがあります。 噛むバランスが悪くなって顎や肩への負担が偏り、肩こりや頭痛などを引き起こすことがあります。
顎関節症
消化不良
コンプレックス
顎の関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症を招くことがあります。また、顎や顔つきがゆがんでしまうこともあります。 食べ物がしっかりかみ砕けず、だ液の分泌も弱まってしまうことから胃腸に負担をかけてしまうことがあります。 口元は、思っている以上に他人から注目を浴びています。視線が気になってコンプレックスを招いてしまうことがあります。

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顎関節症とその治療法

「顎が痛い」「口を開け閉めすると音が鳴る」「口が開かない」などといった症状がある場合、顎関節症になっていることが考えられます。顎関節症とは、咬み合わせのずれによって噛む力のバランスが崩れ、顎関節に負担がかかり発症します。

症状は、しばらく様子をみるうちに治まることもありますが、放置すると慢性化し、肩こりや頭痛を招いてしまうこともあるため早めの治療が必要です。顎の違和感は放置せず、一度当院にご相談ください。

顎関節症を引き起こす生活習慣とは?

次のような生活習慣があると、顎関節症を引き起こしてしまうことがあります。思い当たるものがないか、一度チェックしてみましょう。

当てはまる項目が多い場合、顎関節症になる可能性が高くなります。意識的に改善できる習慣は、直していくようにしましょう。

顎関節症の治療

マニュピレーション法

そもそも上下の顎の間には「関節円板」という組織があり、クッションの役割を果たしていますが、何らかの原因によって関節円板の位置がずれ、骨が直接密着することによって顎関節症になってしまいます。マニュピレーション法とは、医師がお口の中に手を入れ、関節円板の位置を調整する方法です。

補綴(ほてつ)治療

咬み合わせに偏りが生じている部分に対し、詰め物や被せ物によって高さを調整し、咬み合わせを整える方法です。

スプリント療法

「スプリント」というマウスピースタイプの装置を歯に装着することで顎関節や筋肉にかかる負担を軽減する方法です。

先生からのメッセージ・マメ知識

  • 咬み合わせの乱れは、数ミクロン~1ミリ程度のずれからはじまります。そのため慣れてしまい、放置してしまう方も少なくありません。しかし、それが後々大きな症状となって現れてしまうこともあるのです。

    半年に1回は咬み合わせをチェックすることがおすすめです。食事のときなどに起きているどんな小さな違和感でも、遠慮なく教えてください。チェックをこまめに行えば、悪くなってからの治療ほど時間とお金もかかりません。正しい咬み合わせで、いつまでも元気に過ごしていきましょう。
  • 咬み合わせの乱れや顎、顔つきのゆがみは、口呼吸のクセから招かれることがあります。また、頬づえや横向き寝、片側ばかりでものを噛むクセなども影響します。日頃から鼻呼吸を心がけるとともに、食事の際にも左右両方の顎でしっかり噛むよう意識し、正しい咬み合わせを目指しましょう。

いびき・睡眠時無呼吸症候群

眠っているときに、何らかの原因によって狭まった気道を空気が通る際に発生する「いびき」。一時的に軽くかく程度ならとくに問題はありませんが、毎晩大きないびきをかいていたり、ときどき呼吸が止まったりする(睡眠時無呼吸症候群)ようであれば、注意が必要です。

当院では、いびきや睡眠時無呼吸症候群のご相談も承っています。気になることがある場合には、お気軽にご相談ください。

お口のかかりつけ医

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